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ROSE DE BIO PRODUCTS STORY
2025年にブランド創設11周年を迎え、12年目を走り出したローズドビオ。現在は全8品目12SKU(限定商品を含めず)から1品ずつ、ブランドの信条である“しっかりと手応えを感じられるオーガニックコスメ”として開発を完遂するまでのストーリーを、代表/開発者 関根千恵へのインタビュースタイルでお届けします。

第2回目は、代表/開発者 関根千恵が前回取り上げたブラッディローズジェリーの開発時から、商品化を構想していたローズヒップオイルを主体とする美容オイル、ローズオブローズの誕生ストーリーをお届けします。
【バックナンバー】
1.ブランド第2弾の製品に「高品質な美容オイル」を選んだ理由
まずは、関根さんがローズヒップオイルをスキンケアに取り入れたきっかけについてお聴きしたいです
海外のオーガニック化粧品を取り扱っていた会社で働いていた時、ローズヒップオイルとローズ精油をブレンドして自分で使っていたんです。なぜそのような使い方をしていたかというと、学生の頃に顔全体にできたニキビの跡が、頬のあたりにクレーターのような状態でたくさん残っていたんです。ナチュラルなケアでなんとかできないかなと思っていたところ、ローズヒップオイルは妊娠線のケアやニキビ跡の修復に良いと聞いて。ただ、ローズヒップオイルはちょっと匂いにクセがあることも知っていたので、大好きな薔薇の精油を合わせたら使いやすくなりそうだなと。そんな感じでトライアル感覚というか、毎日鏡を見て細かくチェックしたりもせずに使っていたんです。そうしたらある時、薬剤師の資格をお持ちで、皮膚科で働いていらっしゃる方から「ニキビ跡がすごく浅くなっていると思うんだけど、何かやったの?」と問われて。
その方が働いている皮膚科はニキビ治療で有名なところで、クレーター状のニキビ跡の悩みにはレーザー治療やフォトフェイシャルといった光治療などが行われていると。それだけニキビ跡をよく見ている方だと、仕事柄これぐらいの深さだとこういう治療をしたのかな?みたいなことを考えちゃうらしいんです。それで、2年ぶりに私に会ったらニキビ跡がほとんど無くなっていたのでどんな治療をしたのか聞いたのだそうです。この2年間していたことで関連があるとしたら、ローズヒップオイルとローズの精油をブレンドして毎日使っていたから、それかなと。良くなっているような気はしていましたが、毎日自分の顔を見ているのでそれほど劇的な変化だとは思わず。違いの分かるプロの方が時間を置いてあらためて見た時、明らかに変わって見えたことがわかって、これはもしかして凄く効果のあるアプローチだったのかもと。また、後からわかったことですが、本物のローズの香りには女性ホルモンのバランスを整える働きがあり、香りを嗅ぐだけでも肌の調子をより良くする効果があるとのことで。ローズヒップオイルに、ローズの精油をブレンドしていたこともより良かったのだと確信しました。
しかも、40代半ばで頑固だったニキビ跡の凸凹を薄くすることができたわけです。さすがに80代とかだと、そこまで劇的な変化を期待することは難しいかもしれませんが…。角層のターンオーバーが遅くなってくる年代でもここまで変われるなら、いつかローズヒップオイルと本物のローズの香りを合わせたものを自分のブランドで製品化したいという想いが芽生えました。
オールインワン美容液、ブラッディローズジェリーの次に開発に着手、販売したのには理由があるのでしょうか
はい。ブラッディローズジェリーはオイルフリーだったこと、ありがたいことにブラッディローズジェリーが納得のいく売り上げに到達したこともあり、ならば次は前々から温めていた高品質なローズヒップオイルを製品化したいと思いました。ブラッディローズジェリーは、美容成分の塊でありながら万人に必要な「うるおい」を与えることができます。しかし、人によっては、あるいは同じ人でも、季節・体調・年齢によって必要量が大きく変わる要素が「油分」です。なので、2番目に必要なのはオプションとして追加できる、そしてただの油分補給に終わらない“高品質な美容オイル”という結論に至り、ローズオブローズを開発することにしました。実はローズドビオを立ち上げる前に働いていた会社で、オーガニックコスメの開発を担当した際にもローズヒップオイルを配合した製品を手がけたのですが、私が理想とする贅沢な配合量まではこだわりきれなかったんです。なのでローズドビオでは、ローズヒップオイルのパーセンテージが多い、効果への手応えがばっちり感じられる製品をつくりたいとさらに想いを強くしていたんです。
2.至高のローズヒップオイルを探し出して、契約に至るまで
前回の出雲の赤薔薇『さ姫』との出会いと同じで、納得のいくローズヒップオイルを探すのにはだいぶ苦労されたんですよね
私が求めるのは、どこでも手に入るものじゃなくて、特段に質が良いローズヒップオイルでした。ローズヒップの原産国の中でもいちばん有名なのはチリです。なので、チリ産のものをいろいろと試してみました。その中でも、肌につけた瞬間「これは!」と思えたのがこのローズオブローズに使っているチリ産のローズヒップオイルです。手に入れやすい巷のローズヒップオイルと比べて、格段につけ心地が上質で、とくに浸透性が段違いでした。ローズヒップオイルの真の美容効果については、瞬時に判断することはできませんが、これはすごく良いものに違いないと直感し、すぐに詳細を聞かせて欲しいとチリの会社に問い合わせました。
細胞レベルでの直感と、成分の組成や製造ノウハウに精通する化粧品開発者の直観、両方からビビッときたのですね

そうですね。実際、もの凄くこだわりのある会社でした。前段のお話として、チリでは昔からローズヒップの実がお茶やジャムに加工されていたものの、種はほとんど廃棄されていたそうです。その廃棄量がかなり多かったことから、何か良い活用法はないかとチリ政府が乗り出し、種から油を絞ることは以前から行われていたのかもしれませんが、成分的な優位性を研究することを目的に財団を立ち上げ、ビジネスとしてローズヒップオイルが確立したのはわりと近年のことのようです。そう言った潮流の中で、チリ政府やチリの大学と共同研究を行って、60種類近くあるローズヒップの中から1品種ずつ検証し、オイルを抽出した時に最も有効成分が豊富に含まれた品種の特許を取得してローズヒップオイルをつくっているのが、私がコンタクトした会社だったんです。
特許取得のローズヒップはオーガニック栽培で、あらかじめビニールハウスで大切に育てた苗を農場へと移し、収穫まで徹底管理されています。ローズヒップの実をつけるのは原種の薔薇、いわゆる野ばらなので普通の薔薇よりも丈夫です。本当はそこまでデリケートに管理しなくても育成可能なはずですが、時間と労力をかけて見つけ出したこの品種がほかの品種と混ざらないようにするには、専用の農園でオーガニック栽培することが必要なんですよね。しかも、栽培は厳格なドイツのオーガニック基準で行われています。世界的に信頼の高いドイツのBCS*認定を取得していて、日本の有機JAS認定も下りている原料です。ここまでこだわってつくられたローズヒップオイルなので、最初に連絡した時には「このローズヒップは、自社製品にだけ使っていて外に原料として卸すということはしていないので」と断られてしまったんです。ただブランド立ち上げ時、赤薔薇『さ姫』のエキスを化粧品の原料として使わせてもらえないかとお願いしに行った時の経験があったので、私はそれでも諦めませんでした。2年間ぐらい懸命に説得を続けたところ、ちゃんと大事に使って欲しいこと、一瞬だけ使って売れないからやめるみたいなことをせず、ローズヒップの良さをきちんと理解し、魅力を伝え、ずっと長く継続的に使ってくれるならいいですよとお返事をもらえました。そういったわけで、ローズヒップオイル配合の美容オイルは、国内でもちらほら見かけますが、その質において、ローズオブローズは格別な美容効果を期待できるものだと自負しています。
*Kiwa BCS Öko-Garantie 1990年にドイツで設立された、国内および世界各国で有機認証を実施する機関。日本への輸入時の有機JASマーク貼付に必要な認定も行っている。
3.酸化しやすいローズヒップオイルは抽出のプロセスが重要
ローズオブローズで使われているこのローズヒップオイルは、品種や栽培方法だけでなく、抽出方法もこだわり抜かれているとか

オイルの品質にとって実は抽出方法ってとても重要で。ローズオブローズのローズヒップオイルは、コールドプレス抽出なのがポイントです。コールドプレスは低温圧搾の一種なのですが、実はコールドプレスと低温圧搾は完全なイコールではないんです。いろんな種類がある低温圧搾の中で、最も条件が厳しいのが60℃以下で圧搾するという基準を持ったコールドプレス。日本だとコールドプレスと言えばジュースをイメージする方も多いかもですが、ジュースと違ってオイルは絞るだけで熱が生じて変性してしまいます。含んでいる有効成分の性質からもローズヒップオイルは酸化しやすいため、専用の機械で冷やしながら絞らないと高い品質を保てないんです。
コールドといっても60℃以下ならそんなに難しくない気がしてしまいますが、実際には搾るだけでもかなり熱が発生してしまうそうです。それどころか、抽出する植物に熱を加えて圧搾する高温圧搾法や、圧搾後の植物のカスに溶剤を加えて抽出する方法などもあって。通常の2倍の量のオイルを抽出できるため、効率優先で高温圧搾法が使われている商品もあるようですが、それだとさまざまな有効成分が壊れてしまうので問題外。同じローズヒップオイルでも、本当にクオリティには大きな差があるんですよね。最初は私も、乾燥した種を原料として卸してもらって、日本でオイルを搾ろうかと思ったのですが、それは難しかった。チリの会社が持っているこだわりの圧搾機と同じことをできる会社が、日本でいろいろ当たってみたものの見つからなかったんです。なので、オイルの圧搾までをチリでお願いすることになりました。日本でつくられているオイルは、低温圧搾のものはあっても、厳格なコールドプレスでの抽出となるとなかなか無いそうです。化粧品原料として使われているオイルは、溶剤抽出の割合がすごく多いと思いますね。コールドプレスにこだわった理由としては、ローズヒップオイルを未精製で使いたかったからです。油の全てが未精製の方が良いというわけではなく、精製して使った方が良いものももちろんあります。それに利便性で言えば、ちょっとでも精製した方が酸化しにくくなるし、クセのある匂いも取れて扱いやすくなります。でも、せっかくの有効成分の豊かな特許品種のローズヒップオイルを使えることになったので、未知なる微量元素も含めて、丸ごとの素晴らしさを損ないたくなかったんです。
4.世界的なモデルも愛してやまないローズヒップオイルの魅力
日本でも、自然派コスメに詳しい方の間ではローズヒップオイルの効能がわりと認知されていますよね
そうですね。スーパーモデルで世界的な人気を博したMさんが、自身のブランドを立ち上げる前に愛用オイルとしてローズヒップオイルのファンだとインタビューで答えていたりしたこともあって、日本ではローズヒップオイルの存在が結構知られていると思います。私もそういった記事を目にして、確かに肌質を問わずフィットするオイルだし、ニキビ跡のケアに使える美容オイルなんてほかにあまり無いかも、と思って。 ただ、Mさんからも「これはとてもミラクルなオイルだけど、唯一の欠点は酸化しやすさなので注意しましょうね」みたいな言及があったように思います。
実際、ローズヒップオイルに含まれるどんな有効成分が、なめらかで明るい肌へと導いてくれているのでしょうか
ローズヒップオイルの中には、天然トランスレチノイン酸というビタミンAの前駆体のようなものが入っています。この成分が細胞分裂を促す、つまり肌のターンオーバー促進に優れていることから、ニキビ跡や毛穴の開き、エイジングサインなどさまざまな肌悩みのケアに役立つオイルといわれています。そのほかにもローズヒップオイルにはビタミンEなどのビタミン類、それからオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は月見草オイルやボリジオイルなどに含まれていることでも知られていますが、肌のバリア機能を修復する力がとても高い。なので、ニキビ跡をケアしたい若い方から、年齢を重ねて肌が弱くなったと感じる方、エイジングサインが気になってきた方など、年齢や肌質を問わずおすすめできるオイルです。
基本的な含有成分は、他社さんから発売されているものも含めてローズヒップオイルみんな共通ですが、どれだけ有効成分が豊富に含まれているかという純度の高さは、品種によって差が出てきます。そういった測りきれない部分、それらの有効成分を壊さないように製品化する技術、またお客さまが使っている間も品質がきちんと保たれるよう容器が工夫されているか、そういったことがとても重要です。市場には、ごく少量しか配合されていないから酸化しにくいとか、ローズヒップオイルはしっかり入っているけど使っている途中で酸化しやすい、みたいなオイルはわりと多いと感じてます。
ローズオブローズは品種の選定にも抽出法にもこだわり、品質を保つ容器についても酸化を防ぐための特殊なものか、酸化しはじめる前に使い切れるようなすごく小さくボトルにするなど、できうる限りの工夫をしています。
日本国内では化粧品領域で語られるのみですが、ローズヒップオイルの効能に科学的な裏付けといえるお話はあるのでしょうか?
これはチリでの話ですが、手術後の傷跡のある肌にも使われているそうです。チリにおいては、ローズヒップオイルは肌の修復力、つまり細胞の再生を促す働きが評価されているようです。もちろん、日本では医薬品ではなくあくまでも化粧品の原料として扱われていますので、ローズオブローズにも「保湿」や「肌荒れ予防」としての効果を期待してローズヒップオイルを配合しています。
5.魅力満載だがもろ刃の剣なローズヒップオイルをどう活かすか
ローズヒップオイルは匂いが独特ということですが、未精製だとやはりかなりクセが強いのでしょうか
オーガニック栽培なので、収穫年によって匂いが気になることはどうしてもありますね。未精製のローズヒップオイルの香りを嗅いだことがある方って、日本国内にそんなにいないと思うので、お客さまから「自分がこれまでに使ってきたほかのローズヒップオイルとは違った匂いがします」というお声が飛んで来ることもありますが、これが本当の、有効成分たっぷりな搾りたてのローズヒップオイルの匂いなんです。なおかつ、オーガニック栽培ゆえ年によって差異があることは、発売から数年経った今もご説明したりしています。
ローズオブローズは、毎年ローズヒップを収穫し、種を取り、乾燥させて絞ったローズヒップオイルを使ってつくります。ボジョレー・ヌーボーのような美容オイルなので、香りやテクスチャーに変化が生じるのはある意味“自然そのもの”の証ともいえます。毎年、収穫後は種を一旦保管していただいて、発売時期に合わせてオイルを搾ってもらっています。だいたい2月に発注して3〜4月に収穫。6〜7月にオイルを搾ってもらって、1〜2ヶ月置いてから充填して日本に入れる流れです。ただ、2024年だけ搾ってすぐのオイルを空輸で入れてみたんです。搾りたての超新鮮なものはもっと良いかもしれないと思って。ところが、匂いがキツくて毎年楽しみにしてくださっていたお客さまも「石油のような匂いが…」と困惑されてしまいました。新鮮過ぎることが裏目に出るとは思いもよらず、少し時間を置いたら匂いの角が取れるかと思ったのですが、未開封だと中身は新鮮なままなのであまり変わらなかったんです。オリーブオイルとかも、苦味の強いちょっとクセの強いものほどポリフェノールが多く含まれていますよね。なので個人的には、浸透性も良いし有効成分の存在がしっかり感じられるパンチのある匂いだなという感じでしたが、お客さまをびっくりさせてしまうほどの匂いはやはり違うかなと。結果、2025年は以前の流れに戻しました。
ローズヒップオイルのもう1つの弱点、酸化を防ぐための容器の工夫についてもお聴きしたいです
容器に関しては、当初は5mlのボトルを3本セットで発売したんです。1本5mlなら、酸化する前に確実に使い切ってもらえると思って。ただ、この5mlボトルだとたっぷり使う人とちょっとしか使わない人で、効果にかなり差が出たんです。少しずつ使うことがダメというわけではないのですが、1ヶ月も経つとだいぶ品質が変わってしまいますし、開封後は早めに使い切ってもらったほうが良いことは確かで。逆に2週間くらいで使い切るペース、たっぷりめに使われている方は明らかに肌がしっとりと艶やかに変わり、このオイルの魅力にハマるという大きな反響がありました。うちはリピートのお客様が本当に多いブランドですし、小さいボトルだとどうしてもコストが高くついてしまう。ならば開封後の酸化や光による変質を防ぐエアレスタイプの容量多めボトルで、もう少し割安で買っていただけたらと。このボトルはキャップをきちんと閉めていただければ(きちんと閉まっていない場合、吐出部分が固まり中身が出なくなってしまうことがあるため)、1年かけて使っても余裕で鮮度を保てるので、ご自身のペースで使っていただけます
それから、ローズオブローズの成分比率は、99.3%がオーガニックローズヒップオイル、0.4%がオーガニックダマスクローズオイル、0.3%が植物性ビタミンEです。ほとんどがローズヒップオイルで、使用しているのは3成分のみという本当にシンプルな処方ですが、容器の工夫と合わせてこの絶妙な配合比率も、純度の高いローズヒップオイルをメインとしながら製品が酸化しにくいポイントとなっています。
6.もう1つのキー成分、ブルガリア産ダマスクローズオイルのこと
ローズの精油はとても高価なことで知られているので、配合されているオーガニックダマスクローズオイルについても伺いたいです。
ローズオブローズに使用しているオーガニックダマスクローズオイルは、ブルガリア産のダマスクローズの花から抽出されたローズオットー精油です。ローズドビオのキー成分の一つは出雲の赤薔薇『さ姫』ですが、『さ姫』からは精油がほんの少ししか取れないんです。栽培量も限られている薔薇ですし、ローズオブローズには精油をしっかり入れたかったので自分が納得できるダマスクローズオイルを探しました。ダマスクローズといえばブルガリアですが、ブルガリアの薔薇は出荷量と生産量に差があって、実際の生産量の10倍がなぜか出荷されているんです。これは、ブルガリア産の薔薇と銘打ってある方が売れるからで、例えば周辺のイラン産のものとかも、一旦ブルガリアの港に入ってしまえば、ブルガリアの港から出たということで、ブルガリア産ということになってしまう。こういった話は私が耳にした一例ですが、さまざまな方法を使ってブルガリア産の薔薇ということにするという、薔薇の産業って何かとごまかしがつきまとう業界なんです。
そういう内部事情も把握していたので、ブルガリアに直接行って自分で買い付けようと思いました。いろいろなところを介さず本物を購入したいし、その方が適正価格で買えるだろうから製品の値段も抑えられるはずだと。ただ、ブルガリアでオーガニックローズの栽培をしているところはかなり少ないんです。とくに品質が良いといわれている、カザンラクという地域の薔薇でオーガニック栽培のものを探すとなると、さらに大変で。薔薇の谷と呼ばれるカザンラクは山に囲まれた盆地になっていて、その立地こそがブルガリア産の薔薇が格別に甘い香りを放つ要因ともいわれています。標高がやや低くあたたかな環境は、薔薇が「最高の香りを蓄えやすい」と同時に、虫にとっては「繁殖・活動がしやすい」わけで。放っておくと、イランなどの高地より圧倒的に虫が寄ってきやすい環境なので、農薬を使わない栽培を選択すると、虫による食害をダイレクトに受けて生産量が減少、利益が圧迫されてしまいます。なので、ブルガリアでの薔薇のオーガニック栽培はとても貴重なんです。私はオーガニック栽培をしている会社をあらかじめ何社か探し、それぞれアポを取って通訳の人と回りました。そうこうして、品質や安定的に供給してくれるかどうかなどを見定めブルガリアからの直接買い付けが実現しました。
コロナ禍もあったので、ブルガリアを訪ねられたのはこの一回だけでしたが、思い返しても、そこのダマスクローズとは縁があったように思います。というのも、薔薇については長く勉強していたので、ダマスクローズが5月から開花することは知っていたんです。チケットを予約したのは4月なので、5月に向かうことも可能でしたが、自分でも不思議なことになぜか6月のチケットを取っていました。周りの人から6月だともう咲き終わってるよと言われて、ああ、どうしよう、でも来年また行っても良いしと思い直して予定通りに決行しました。そうしたらなんと、天候の影響や畑ごとの開花のタイミングのズレが重なり、満開の状態を見ることができたんです。今でも、あのダマスクローズ達に呼ばれたなと思ってます。
少々マニアックな話になりますが、オーガニックダマスクローズオイルの抽出方法や配合量にもこだわりがあるんですよね。
はい、ローズ精油の抽出法には、アブソリュート(溶剤抽出法)とオットー(水蒸気蒸留法)、2つの方法がありまして。ローズドビオではローズオットーを使っています。純度が高くお値段も高めなので、アロマセラピーに詳しい方にこのお話をすると、その時点で高く評価してくださったりします。含まれる有効成分もアブソリュートとオットーではちょっとずつ違ってくると思います。もちろん香りはどちらもとても良くて、香水をつくるならアブソリュートも良いと思うんですけど、顔につける化粧品への配合となると、私の選択はやっぱりオットーに。とはいえ、ブルガリアでオーガニック栽培されたダマスクローズオットーの精油となると、最高級レベル。製品をお手頃価格で買えるようにするためにも、仲介業者を通さず自分で輸入する道を選んだことは大変でしたが正解でしたね。
独特な匂いのあるローズヒップオイルを使いやすくしながら、香りで女性らしい気分に導くという意図で、精油の配合量はローズドビオの製品の中では一番多くなっています。市場では配合量 1%ぐらいのオーガニックコスメも見かけるので、0.4%というと少なく感じる方もいるかもしれませんが、精油は濃縮されたパワフルなもの。1%は多過ぎるくらいで、私の経験則からすると、顔の肌に使うなら0.3%前後が刺激にならないパーセンテージだと思います。正直、最高級のローズオットー精油は0.3%以下で配合してもちゃんと香ります。肌の弱い方が刺激に感じるほど配合量を多くして、アレルギーのリスクを高めてしまったら本末転倒ですもんね。
7.予想をはるかに超えた売れ行きと、効果的な使い方について
今年の秋で、ローズオブローズは誕生から10年になるんですね。年に一度の限定発売とはいえ、ブラッディローズジェリー同様にロングセラーですね。
最初の発売は、2016年10月でした。高温多湿な日本で顔用オイルは売れにくいと言われていた中で、発売から2ヶ月で完売。夏の肌ダメージの回復や秋冬の乾燥予防に照準を合わせ、販売数も気持ち少なめに見積もっては生産したというのもありますが。ローズヒップオイルは美容効果がわかりやすいこと、さらにここまで高品質にこだわってつくったのだから、いけるのではないかと自分としては思っていて。そうしたら、そこを越え過ぎてお客様から「凄く良いから1年中使いたいのに、もう在庫が無いなんて」と半ば怒られてしまいました。それで、翌年はもっと在庫を潤沢に用意しなくてはとなって、2年目からは1年間くらい在庫が持つような生産方針に変更しました。2016年と2017年は3本セットで出して、3年目からエアレスボトルのたっぷりサイズを出すように。ただ、いきなり1万円のたっぷりサイズでしか買えないというのは、肌が弱い方だと勇気がいるかもしれないと思ったので、2,000円以内で買っていただけるならアリかなと、小さいボトルを1本売りで残しています。
小さいボトルを2週間以内で使い切るペースだと、明らかに良い変化を実感する方が多そうですが、関根さんご自身の体感で特筆すべきことはありましたか?
ありましたね。ポツポツと目立ち始めたどんよりした年齢サインの影も、ぱっと見が黒に近い濃いめの茶色だと、意外に表皮だけの問題だったりするので、ターンオーバーが促されることで、パッと明るい印象へ導けます。ただ、たとえ見た目は薄く見えても、灰色や青みがかったような年齢サインの影だと、肌の奥深くに居座っているため根気よくケアしていく必要があります。
美容オイルの中には洗顔後にすぐ使うブースター使いが薦められていることもありますが、ローズオブローズはどうなのでしょうか?
ブースター使いがダメというわけではないのですが、ローズオブローズは有効成分の純度が高いせいか、人によってはそれで一時的に肌が赤くなったりするので、お客さまがびっくりするといけないかなと思って、パンフレットではブラッディローズジェリーの後に使ってくださいと提案しています。ふわっと肌に赤みが差したりしても、理屈がわかっていれば問題ない、という方でしたら洗顔後にブースター使いされても良いと思います。また、いっぱいステップを踏むのが面倒という方もいらっしゃるので、そういう場合はブラッディローズジェリーや仕上げに使うクリームに混ぜていただいても大丈夫です。
ローズヒップオイルを、浸透力とかすべすべ感を高めるためのキー成分としてちょっとだけ配合しているコスメって世の中には結構あるんです。なので、ボディローションに少し混ぜて使ったりしても、美容効果が一気に上がります。ただ、ローズオブローズを全身に使うのは流石にもったいない気がします(笑)。ニキビ跡とかシミが気になるところにはオイルのまま重ねづけして、そのほかの部分は乳液やクリームに少量を混ぜるといった使い分けもおすすめです。気になる箇所も、しっかりと保湿されてすべすべになります。
保存についてですが、酸化しやすいオイルということは冷蔵保存が良かったりしますか?
直射日光にならない場所、暗くて涼しめの場所なら室温での保管で大丈夫ですよ。猛暑の時期だけは、湿度が高くなり過ぎない引き出しの中で保管していただくのが良いですが。あとは、とにかくキャップをしっかり閉めてください。ロットによっても違ってきますが、キャップの閉め方が甘いと揮発して固まることでオイルを取り出せなくなってしまうんです。
8.ブルガリアへの出張を機に、加速した一人社長のクラウド経営

オーガニックダマスクローズの精油を求めて向かったブルガリアへの2週間の出張は、出荷代行のアウトソーシングを始めるきっかけになりました。ブランドを一人で経営しはじめた当初は、商品の梱包や出荷を全て自分だけでやっていたので、それが出来なくなってしまうと。立ち上げ時は潤沢な資金もなかったので、出張の間の2週間だけと最初は思いましたが、その丁寧で正確な作業ぶりがあまりにも助かって、結果そのまま現在もお願いしています。何より次の開発のための時間を捻出できるようになり、生産性が上がったのであの時に思い切って頼んで本当に良かったです。こうして振り返ると、ローズオブローズ誕生までの道のりは、プロの手を借りることで会社のクオリティが一段階上がることに気づけた時間でもありましたね。